癒し刑

ガラス玉遊戯 vol.7 『癒し刑』 物語

<あらすじ>
脳科学と心理学の進歩により、「心の病」はこの世からなくなろうとしていた。

ある事件で心に深い傷を負った緒方は、熱心なケアによって心の平穏を取り戻した。
今ではケアする側に回って、日夜、悩み苦しむ人々の治療に取り組んでいる。

そんな緒方の元に、ひとりの患者が送り込まれてきた。
自らの犯した罪を悔やみ、重度の精神疾患を患うその患者は、
かつて緒方を絶望の淵に叩き落とした、張本人だった。


<ご挨拶>
ガラス玉遊戯 脚本・演出の大橋です。

最近、暑いですね。

こう暑いと、ちょっとしたことにもイラっとしてしまいますね。
昨日もコンビニの店員の対応にイラつき、ついキツイ言い方をしてしまいました。

分かってるんですよ。彼が、ろくに指導もされないまま、人手が足りない職場に
放り込まれていること。そんな状況にも関わらず必死でお客さまのために応対し
ていることを。
それでも、言わずにはいられなかったんです。
ちっちぇなあ、俺、と思いながら。そしてそんな自分にまたイラついたりして。
きっと彼も内心イラっとしてたでしょうね。

今回の作品は、そんな風にイライラする人が誰もいない世界になればいいなぁ、
と思いながら書きました。でも、つくってみて思ったのですが、誰もイライラし
ない世界というのは、見てるとイライラするものですよ。

今回は、4年間お世話になった下北沢を離れ、北区にある王子小劇場で公演します。
数々の話題公演・新進気鋭の劇団・演劇人を輩出してきた、若手の登竜門的な劇場です。

暑い最中ですが、よろしければ王子まで足をお運びください。

ガラス玉遊戯